RSAをオンラインで取得しました in ケアンズ【QLD/クイーンズランド編】

 オーストラリアで酒類を扱うレストランでお酒を提供する人として働く場合、RSAという資格が必要になります。RSAはResponsible Service for Alcoholの略で、アルコールを提供してはいけない人、断る際の方法や法律などを学んだ上で試験に合格し、はじめてその資格を得ることができます。また、この資格は働く州によって違うので、どこで働くかで取得する資格も変わってきます。今回はクイーンズランド編ですが、これを取得するとNSW(ニューサウスウェールズ州)とVIC(ヴィクトリア州)以外で有効となります。

 RSAを取得するには2通りの方法があります。1つ目は実際に学校に通って授業を受け取得する。そして2つ目はオンラインで自力で取得する方法です。学校はオンラインよりも高い料金が発生するようですが、うまくいけば1日で取得できるらしいです。オンラインは学校に行くより格段に安いです。しかし1日での取得は難しいと思います。※最後に試験があるので受かれば。

 さて、今回はオンラインでクイーンズランド(QLD)で使えるRSAを取得できたので、その方法や試験のことなどを書いていこうと思います。

オンラインでRSA(QLD)取得

使用したサイト

 eot.edu.com(Express Online Training)というサイトです。このサイトの素晴らしいところが、最初にコース資料を読んで選択式の質問(4択orそれ以上)に答えていくのですが、それが完了するまでは料金が発生しないということです。コースの詳しい内容は後ほど。

最後の試験ではオーストラリアの電話番号が必要になるので、あまりにも早く始め過ぎても途中でできなくなります。期限があったかもしれなく、色々読んでも記載がなかったので念のためオーストラリアに来てからか来る少し前にするのがいいかもしれません。

料金

 $29(約3,000円)2024年10月現在。ケアンズの学校に出席して取るとなると、TAFEという職業訓練校で$170で取得できるようです。他も探してみましたがよく分かりませんでした。料金の差が大きいですね。後ほどサイトを見ていると、料金は前後しています。ちなみにもし他の安いサイトを見つけURLを入力すると、その金額より10%安い価格で受講することができるようです。

取得までの期間

 約2週間(10月15日にサイト登録して、10月28日に取得しました)もう少し集中したら、もっと早く取れる可能性はあります。

必要な英語力

 中級から上級レベル。割と膨大な量の資料を読むので、英語を割とスラスラ読めるよ〜!(難しい単語は調べる)くらいじゃないと単純に辛いと思います。さらに最後に電話で実際に試験官と話す必要があるので、ある程度聞き取れて話せないと正直きついと思いました。

【補足】私の英語力など

 念のため簡単に私の英語力についてお伝えしときます。バックグラウンドについては自己紹介ページをご覧ください。約10年前、大学生の時に受けたTOEICは910点、英検準1級を持っています。肩書きは悪くないんですが、文法や会話はとてつもなく苦手です。話すとびっくりするでしょう(笑)リスニングが超得意なのでそれで点数を取っていました…。

オンライン講座の内容

コースの内容

 まず流れはこうです。

1.テキストを読んで選択式の質問に答える
2.ビデオアセスメント:質問が書かれているので、その答えをウェブ上で録画&録音する
3.オーディオアセスメント:オーストラリアの番号に電話がかかってきて、実際に試験官と対話する
4.USI(Unique Student Identifier)という学生番号を取得する(オーストラリアに入国していないといけない)

 上記の流れはすべてeot.edu.comのサイト上に載っていてその流れに沿って進めていくだけなので、安心してください!

 では順番に説明していきます!

1.テキストを読んで選択式の質問に答える

 まず、コース資料が4セクションに分かれています。

Section1 : 誰にアルコールを提供してはいけないか(P4~20)
Section2 : アルコールについて(規定量など)(P23~37)
Section3 : アルコールの提供を断る方法など(P38~45)
Section4 : 法律(州ごとの)(P46~69)

 そしてそれらを読みつつ約125問の質問に答えていきながらコースを進めていきます。(全部読んでから回答ではなく、テキストを読みつつ同時進行なので割と飽きません)

 選択式で答えていき、それぞれの問題に関連するテキストのリンクが貼られているので、パッと答えられなければテキストを見て回答することができます。制限時間はありませんが、それぞれの質問に3回間違えると数分程度(確か3-5分ほど)進めなくなります。その間きちんとテキストを読み直しましょうという文言が出てきます。ちなみにそれ以上間違えると…残念ながら間違えたことはないので分かりません。

 個人的にSection3までは読みやすかったんですが、Section4の法律がクソつまらなくてペースが遅くなりました。Section2では、お客様にお酒を提供するゲームみたいなのが含まれていて楽しかったです。読み込みは遅かったですが…。

このコースが終わると、支払いページが出てきました。ここまでは無料でできて安心です。

2.ビデオアセスメント

 ビデオアセスメントは簡単でした。3つの質問に対する回答を録画&録音する必要があったのですが、事前にシナリオが書いてあります。例えば、「酔いが回ったお客様がバーに近づいてきて、もう1杯提供するよう言いました。サービスを断ってください。」と書いてあり、その答えを事前にノートなどにメモしておき【録画】ボタンを押すと自動的に録画&録音されます。

 他にも「お客様が2時間以上アルコールだけを飲み続けています。酔いが早く回らないようにできることを最低でも2つ、お客様に伝えてください。」という質問もありました。

 3つ共すべて録画し終わったら、自動的にアップロードされます。また、失敗したなと思えば再度録画&録音し直せるので安心でした。

 約数日を経て、承認されます。私は2~3日後に承認された(合格した)ので、不合格の場合はどうなるのかは残念ながら不明です…。

3.オーディオアセスメント

 さてここが本番です。コースとビデオアセスメントが終わると最後にオーディオアセスメントなのですが、実際に試験官から電話をうけて試験を受けます。

 まずアセスメントの予約をしないといけないのですが、オーストラリアの電話番号が必須です。海外の電話番号では無理なので、必然的にオーストラリアにいて電話番号を取得している必要があります。

 試験の内容に関しては、次の章で書かせていただきます。

4.USI(Unique Student Identifier)を取得する

Unique Student Identifier (USI) という無料で取得できる学生番号の事を指します。2015年1月より、オーストラリア国内で職業訓練コースを受ける学生は、州や都市に関係なくこのUSIを取得することが定められました。オーストラリアのレストランや、バーで働く者に義務付けられている資格、Responsible Service of Alcohol(RSA)を取得しようとしている方も、まず受講をする前に必ずこのUSI番号を取得しなければなりません。

USI登録『オーストラリア留学センターby DEOW』より引用

 USIの取得もコース内容に入っているので、そこにあるリンクから簡単に取得できます(一応取得できるリンクを貼っておきます)。こちらもオーストラリアに入国している必要があるので、オーディオアセスメントをする前に取得しておきましょう。

オーディオアセスメント

試験の予約とハプニング

 ここまで進めたあなた、おめでとうございます。最後に試験管と電話で対話することになります。まずウェブサイト上で試験日時を決めます。時間帯が1時間ごとに分けられていて、例えば午前8時〜9時の時間帯を選択すると、電話はその1時間の間にかかってきます。オーストラリアは広い国なので国内でも時差があります。この時間はシドニーの時間なのでご注意くださいね!

 さて、私が試験を受けるために予約しようとすると、日程の空いていないこと!!2週間先まで埋まっており、予想外のことにかなり焦りました。

 さらに予約日時のところに「PRIORITY ONLY」という表記がいくつかあり、試験を早く行いたい人向けのサービスもあったのですが…これが24時間以内だと$105?や1週間以内だと$120?(金額はあやふやですが、大体このくらい)の追加料金が発生します。今更そんな大金を払うわけにもいかず、どうしようか悩みまくっていました。学校へ行くか、追加料金を払うか迷いながらも1日に何度も時間帯を見ていると、突然翌日に空きができました。すぐさま予約し、一安心です。

 さて予約した時間に待機していると、電話がかかってきました。取ろうと画面に指を伸ばした途端、電話が切れました。そしてボイスメッセージが入っていたのです。電話が鳴ったのはほんの1秒だけでした。ボイスメッセージには、「電話をおかけしましたが、繋がりませんでした。サイトに戻って再度予約してください」とのこと。

いやいや、その時間にわざわざ待ったあげく電話は1秒で切れるし、再度予約しろやと?(怒)

 腹が立った私はコンタクトフォームに起こった出来事を書き、連絡しました。「回答には1~2営業日をいただく場合があります」と自動返信がきた時はどうしようかと思いましたが、待つしかないと思い焦るのをやめました。それと同時にまた翌日の予約が空かないかサイトでチェックしていると、たまたま空きが出たので念のため予約しておきました。

 運営からのメールはその日に返ってきました。そこにはこの番号にかけると、試験がテストしてくれるよという内容だったので、早速かけると

「大変混み合っており、お繋ぎできる試験官がいません。ピーという発信音の後に、お名前・refference number(メール送った時の自動返信に書いてあった)・電話番号をお伝えください。試験官が空き次第連絡いたします。」

というアナウンスが。とりあえずボイスメッセージに吹き込み再度待つことに。

 さて、数時間経過した時にようやく電話がかかってきました。そしたらなんと、「予約しないと試験を受けられないのよ〜だからサイト上でやってね」と言われました。さすがに「は?」と思ったので、「今朝電話を待ってたのに1秒で切れたんよ。メール送ったらここで試験してもらえるって言ってたんですけど。」と言っても、「そうだったのねごめんなさい。でも予約が必要なのであなたのページで予約してね、いいわね?」と押し切られ、ここで怒るメリットもなかったのと翌日の予約も取れていたので、「分かった」としぶしぶ電話を切りました。時間をとられて少しイライラしました。

 私は暇で何回もサイトをチェックしていたため予約がとれたのと、いつの予約でも良かったので何とか耐えましたが、急いでる方には正直あまりオススメできないです。

試験の内容

 ようやく翌日待っていると電話がかかってき、今回は切れずに受けることができました。

 さてオーディオアセスメントでは、サイト上に事前にシナリオが書いてありました。2パターンのシナリオがあり、

①バーにいるお客様はかれこれ2時間以上お酒を飲んでいます。バーカウンターに近づいてきましたが、足元はふらつき、言葉はたどたどしく、明らかに酔いが回っている状態です。サービスを断ってください。※酔っぱらいという言葉は使わない。

②1時間ほど前にバーに入ってきたお客様ですが、アルコールは1杯も飲んでいません。にも関わらず、入店時と比べ明らかに様子がおかしく、目は充血し、ふらついていて、大声で話をしていて、おそらく何かの影響を受けていると思われます。また同僚はその人物がトイレに何度も出入りしていたのを目撃しています。その人物がバーカウンターに近づいてくると、お酒を注文しました。サービスを断ってください。

とありました。電話がかかってくるまでの間に、内容をよく読んでどういった姿勢や言葉でサービスを断るかを考えておきます。注意事項(※絶対にDrunk /酔っ払いという言葉を使わないこと。毅然とした態度で、なおかつ個人的な嫌がらせなどではないことを明確にする等)や関連記事もあり、しっかりと準備をしていると大丈夫だろうと高を括っていました。

 電話ではまず名前と生年月日を聞かれ、試験が始まりました。シナリオ①からです。

試験官

(①のシナリオを読む)さてサービスを断ってください。

お客様、法律によってあなたにこれ以上お酒を提供することができません。また明日以降いつでもお待ちしていますね。

試験官

うん、そうなんだけど、じゃあ、On what venue do you refuse services?

(venueって何や笑)The law? House rule?(法律?お店のルール?)

試験官

ちょっと違う。

この時点で私はパニックです。会話形式で進められると思っていたので、予想外の質問とvenueの意味が分からなくて頭が真っ白になりました。何回も何回も聞いて、これか?という答えを言いましたが何かが違ったみたいで、これは確実に落ちたな〜と思っていましたが、私がこれか?あれか?と言っていると試験官は何回も砕いて話してくれました。

 最終的に「法律により酔いが回っているお客様にお酒を提供すると罰せられる/法律違反だから」、みたいなことを言ったらOKだったような気がします。頭が真っ白であまり思い出せません。

venue : (議論における人々の)立場

試験官

サービスを断ったのにも関わらず、お客様はまだお酒を提供するように言ってきました。どうしますか?お客様に話すように答えてください。

先ほどもいいましたが、法律であなたにこれ以上お酒を提供することはできないんです。もしよろしければタクシーを呼びましょうか。

試験官

それでもお店を出ようとしません。どうしますか。

マネージャーを呼びます。

試験官

はい、おっけ〜!

 次にシナリオ②に移りました。

試験官

(②のシナリオを読む)この人はお酒を飲んでいないのにも関わらず、目は充血してるし、挙動が変で、大声で他の人と話してるわ。同僚もその人物がトイレに何度も出入りしているのを見てる。この時、どういった影響が考えられる?

おそらく薬(drugs)の影響を受けてると思われます。

試験官

そうね、正解。そしたら次はどういう風にサービスを断る?

お客様、法律によりあなたにお酒を提供できません。ずっと見ていましたが、お酒を飲んでいないのに目は充血していて、行動もおかしいので、薬の影響を受けていると思われます。すぐにこの店から退店してください。タクシーを呼びましょうか。

試験官

それでもこの人物は帰ろうとしないわ。そしてさらに大声で怒鳴り始めた。どうする?

マネージャー、あるいは警察に連絡します。

試験官

おっけ〜合格。そしたらデジタル証明書をまた送るから〜Bye!

 と試験は無事終了しました。一時は落ちたと思いましたが、試験官が優しかったのか、再試験にはならかったです。私の場合、venueの意味が分からずパニックになったので、今思い返すと、”venueの意味が分からないので違う言い回しで言ってくれますか?”とお願いしたらよかったな〜と思いました。

 証明書はメールですぐに添付され、晴れてRSAを取得することができました。

まとめ〜RSAを受けてみて〜

 オンラインは自分のペースででき、学校へ行くよりもはるかに価格が安いのでおすすめです。ただ急いでいる方にはオススメできるかと聞かれると即答できません。しかし学校へ行っても試験に落ちると元も子もないので…ここで一つ言えることがあるとすると、英語の勉強はしておいて損ではないです!笑

 皆様もRSAを取得して、レストランなどの仕事をGETできることを願っています。共に頑張りましょう!!